大阪国際文化協会

あっぷる de アート「王妃のお気に入り」

パレットを持ってこちらに微笑む女性。
マリー・アントワネットの肖像を多数残したヴィジェ=ルブラン本人の肖像画です。
同い年であったヴィジェ=ルブランは王妃のお気に入りの一人でした。

作品名:麦わら帽子を被った自画像
製作年:1782年
サイズ:97.8x70.5cm
所蔵 :ロンドン ナショナルギャラリー
作者 :エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン(仏)1755~1842

 

ヴィジェ=ルブランは若くして売れっ子肖像画家でしたが、革命の嵐が画家の身にも迫ります。
娘を連れて亡命の道を選んだのは賢明な判断でした。
国内に留まれば王党派とみなされギロチン送りは確実だったでしょう。
ヴィジェ=ルブランは各地の美術に触れながら、亡命貴族や権力者の肖像を描きました。
激動の時代をたおやかに生き抜いた画家だったようです。

ヴィジェ=ルブランが描いたアントワネットの肖像画も一枚ご紹介。
実物に少し修正を加え美化するヴィジェ=ルブランの腕にかかれば、
ハプスブルク家特有の面長に鷲鼻と受け口だって目立たなくなります。
(浮世絵なら瓜実顔は美人なんですけどね〜)

何より自然な雰囲気と繊細な画風は王妃の趣味と合ったようです。
王妃の穏やかな表情が素敵な一枚ですが、ドレスが下着だとか何だとか散々言われ
別のドレス姿で描き直し版があります。(王妃様の名誉の為にも頑張ったのね・・・)

作品名:モスリンのシュミーズドレスを着た王妃マリー・アントワネット
製作年:1783年頃
サイズ:89.8x72cm
所蔵 :ワシントンD.C. ナショナルギャラリー
作者 :エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン(仏)1755~1842

 

修正は今のお直し加工と同じかな・・・
完全な美化ではなく、アンバランスな所は控え目にして、魅力をより際立たせて見せる・・・
アントワネットでなくてもヴィジェ=ルブランに注文したくなりますよね。
(ふくよかに描いた晩年のルノワールに頼むと私はこんなんじゃない!ってクレームかも)
実際より少し美化してくれると「あら、私って綺麗イケてるのね♪」と大満足。
王侯貴族や有力者の注文が続くってことになったんでしょう。

そうすると、本人の肖像画も理想形だったかも知れません。
実際、若作りで描いてそうな作品もあります。(美人への妬みではありませんよ!)

11/24(火)に資料をお持ちします。肖像画と共に美しい装飾などもご覧下さい。
キラキラ宮殿や、ひらひらドレスからお子さんとアートを楽しむのもありかな♪
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