大阪国際文化協会

あっぷる de アート「上手く描くだけがアートじゃない?!」

ん?!何か変な絵だな。人の動きが硬い?もしかしてこの絵下手?!と思われましたか?!
切り絵のような、操り人形のような不自然さ。(いきなり酷い言いっぷり)
木に対して人が大き過ぎですよね。それぞれのサイズがかみ合ってないんです。
一応、木や空は綺麗に塗ってあるんだけど、人が立ってるような浮いてるような・・・
この遠近法や縮尺が全くなっていないのが、ルソーの絵の特徴ですが、
何だかコミカルな選手達(何故か同じ顔、作者?)に、思わずふふっと笑ってしまいます。

作品名:フットボールをする人々
製作年:1908年
サイズ:100.3cmx80.3cm
所蔵 :ニューヨーク グッゲンハイム美術館
作者 :アンリ・ルソー(仏)1844~1910

ルソーは美術を専門に勉強したことがない人で、素朴派と言われます。
税関職員を務めつつ40代から本格的に描き始め、50歳を前に退職し専念。
当初は相手にされず嗤われたそうですが、晩年には独自の世界を評価されます。
サロン・ド・アンデパンダン(無審査・無償の公募展)に参加し続けファンが増えていったんだとか。
やはり技術を超えたオリジナルの世界に魅力があるという事でしょうか。
(実はわざと下手に描いてんだよな~とか思って描いたなら、とんでもない策士ですよねぇ。)

無名のルソーを早くから認めた一人は何とピカソでした!
天才的描写でも超絶技巧でもないのに何故か・・・
それは誰のにも似ていない表現、唯一無二の世界だから!!
ルソーの作品を激安購入したピカソは自宅アパートで、ルソーを讃えるパーティーまで開催。
おふざけ企画だったとも言われます。(ルソーの絵を囲むパリピな夕べ→表現者のどんちゃん騒ぎ?!)

他に、ジャングルの絵を多く残していますが、どうやら行ったことはないようです。
植物園に通ってヒントにしたようです。(だから植物は綺麗に塗ってるのね。)
ライオンなどが獲物を仕留めていても迫力ゼロの絵。(むしろ猛獣が微笑ましいくらい。)
子供を描いたらマリオネットラインがあって可愛くなかったりと、ツッコミ所満載の作品達ですが
神秘的な作品も残しています。誰に何と言われようとオリジナルの世界を表現し続けたルソー。
何か記憶に残ってしまう・・・不思議な絵のパワー。描く事が大好きだったんでしょうね。

難しい事を考えずに観られるのも良いところ!きっとお子さんと楽しめると思います。
お疲れのママが頭のネジを緩めるために観るのもあり!です。

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