あっぷる de アート「日本画のぐるんぱ」
う〜ん、子供がいっぱいゾウさんに群がっています。
収拾のつかない状態ですが、白い象の細めた垂れ目が印象的。(やらしい目ではありませんからね!)
このゾウさんと子供達が、わちゃわちゃしている図・・・
絵本「ぐるんぱのようちえん」が浮かんだ方いらっしゃるかも♪
(ぐるんぱはピアノを弾いて歌いましたねぇ)
絵本でも日本画でも子供達はやりたい放題!本当に楽しそうに遊んでいます。
絵本でも日本画でも子供達はやりたい放題!本当に楽しそうに遊んでいます。
作品名:白象唐子遊戯図屏風(右隻)
製作年:江戸時代
サイズ:166×362.2cm 六曲一双
所蔵 :鐡齋堂
作者 :長沢芦雪 1754~1799
ところで、唐子ってどういう子供なんでしょう?!
唐って、中国の唐?!そういえば髪型も中国っぽい子いますね。唐子=大抵は男の子の子なんですって!
(ここで論争はしませんよ〜跡継ぎは男の子の風潮だったせいかも)
きっとゾウさんは子供の相手で燃え尽きて真っ白に・・・(分かるぅ!じゃなくて〜)
白象は龍、鳳凰、麒麟と同様に霊獣で、縁起の良いものとされました。
では、本物の象が日本にやって来たのは?!
室町時代には目にされていたそうですよ。
漂着船に乗っていた象は若狭から京都へ行き将軍に献上されたそう。
また「享保の象」というのがあり・・・長崎から京都、江戸へ上った記録があります。
江戸は象フィーバーになったんだとか。
本作は、子孫繁栄(もうエェわってくらい)、長寿(ゾウは長生き)を願うおめでたい絵なんですね。
幼い子供を亡くしている芦雪も何か思いを込めたかしら・・・
輝く金地に華やかな朱と緑が引き立てあって美しいですね。
(退色していないのは、きっと良い画材よ!)
こんな白象の作品もあります。
牛との巨大な白黒対比。
白象の側に黒い烏、黒牛の側に白い犬という小さい生き物で、大小と白黒の更なる対比!
しかも、白い子犬のくだけた感じが笑わせてくれます。
何ともゆるいタッチの漫画のような、落書きのような〜(何故しどけないポーズ?)
(いや、きっと上手いからこそ作れるヌケ感のはず・・・よね?!)
ゆるキャラっぽい作品にほっこりしたり、騙し絵かと思う迫力画面を楽しめるのも芦雪の魅力。
作品名:白象黒牛図屏風
製作年:1794〜1799年
サイズ:各155.3×359.0cm 六曲一双
所蔵 :エツコ&ジョー・プライスコレクション(米)
作者 :長沢芦雪 1754~1799
製作年:1794〜1799年
サイズ:各155.3×359.0cm 六曲一双
所蔵 :エツコ&ジョー・プライスコレクション(米)
作者 :長沢芦雪 1754~1799
円山応挙に弟子入りした長沢芦雪。
20代後半には高弟になっていたそうですが、3回破門されたという逸話の持ち主。
いったい何をやらかしたら3回も〜?!となりますが・・・
いったい何をやらかしたら3回も〜?!となりますが・・・
1つは応挙の手本をそのまま持参して見せ、直すべき所を聞き、次は清書したものを持って行きOKとなったのがバレたなんて話が残っています。
(事実なら、師匠の頭に血が上っても仕方ないわぁ)
真偽はさておき、応挙の代理で南紀に赴き仕事をしているので、実力は認められていたんでしょう。
師匠やライバルの目がないのが幸いしたのか、南紀の温暖な気候が絵師の解放を招いたのか、自由で大胆な作品が観られます。
師匠やライバルの目がないのが幸いしたのか、南紀の温暖な気候が絵師の解放を招いたのか、自由で大胆な作品が観られます。
写生を第一にした師匠、応挙の教えはどこへ・・・と言いたくなりますが、モチーフも狙いも画面を大きく飛び出していったんでしょう。
ある意味師匠を超えていった部分も。
虎や孔雀の『毛描き』は「さすが応挙の弟子!」ですが、指や爪や掌で描く『指頭画』や、宴席で即興で描く『席画』も上手かった様です。
(面白い!ととるか、奇を衒っているととるかは観る人次第♪)
(面白い!ととるか、奇を衒っているととるかは観る人次第♪)
長沢芦雪という絵師は「次は何で驚かしてやろうか」と企みながら描いていたのでは?!と思えてきます。
奔放な画風のせいか、何かと目立つ言動が疎まれたりしたのか、46歳での突然の死は縊死に毒殺、自殺説と謎に包まれています。
参考文献
「かわいい こわい おもしろい 長沢芦雪」 岡田秀之(著)
「別冊太陽 長沢芦雪」 狩野博幸(監)
「探訪 長澤蘆雪」 白木博久(著)
「探訪 長澤蘆雪」 白木博久(著)
*絵師の名*長沢芦雪、長澤蘆雪など複数表記あり