大阪国際文化協会

あっぷる de アート「導きの星」

もうすぐクリスマス♪(飾り付けする横でお子さんは窓にシール攻撃!?)
ツリーのてっぺんの星はイエス・キリストの誕生を知らせた星とされます。
星は、導かれた三博士と聖家族のセットで数多く描かれました。

作品名:東方三博士の礼拝
製作年:1304〜1306年
サイズ:185×200cm
所蔵 :スクロヴェーニ礼拝堂(イタリア)
作者 :ジョット・ディ・ボンドーネ(伊) 1266~1337

流れ星〜というか燃え盛っていますね。
(お生まれになってめでたいな〜どころか、地上に落ちたら大惨事っぽい)
実は未知の火球でも人魂でもなく、彗星の天体ショー。
ジョットは1301年のハレー彗星を『導きの星』と重ねたようです。
昔は不吉の象徴として恐れた人もいたようですが・・・
「この世の終わりだ〜」とせずに、慶事のモチーフにしたジョットは凄い!?

作品名:東方三博士の礼拝
製作年:1423年
サイズ:173×220cm(全体)
所蔵 :ウフィツィ美術館
作者 :ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ(伊) 1370~1427

こちらは、お年寄りの頭を赤ちゃんが「よしよし」する様に見えますが、イエスが祝福を授けている図。
動物達も一緒に駆けつけた感じがする楽しい作品。(馬の表情が〜)
牛や馬の他に、猟犬、猿、ライオンや豹、猛禽類も〜お子さんと探して下さい♪
星は聖家族の頭上で輝いていますよね。(全てがキラキラだけど)
全面金箔!って感じが『国際ゴシック様式』を代表する作品です。

パッラ・ディ・ノフェリ・ストロッツィの注文で描かれたこの祭壇画は、ストロッツィ親子が鷹匠の姿などで登場。
宗教画の中には寄進者=依頼主が自身を描かせたものがあります。
大金を支払って描かせた祭壇画は額縁も超豪華!
(信仰心以外の部分でも人々は拝む事に!?)

作品名:東方三博士の礼拝
製作年:1475〜1476年?
サイズ:111×134cm
所蔵 :ウフィツィ美術館
作者 :サンドロ・ボッティチェリ(伊) 1445~1510

フィレンツェではストロッツィ家とメディチ家がライバル関係でした。
本作の依頼主はガスパーレ・ディ・ザノビ・デル・ラーマという両替商組合員。
自身とメディチ家の人々をボッティチェリ(ボッティチェッリ)に描かせています。
(三博士は全員メディチ家の人がモデルで5名は登場)
何か依頼主が一番目立たないけど良かったのかしら。
銀行業で君臨した歴代メディチの方々と同席で満足!?
(人物群の中で自身を指差す姿は「頼んだのワシだからね!」って言ってそう)

この作品では何と作者まで登場!右端でこちらを見ている男がボッティチェリ。
聖家族や実力者達と一緒に自分を描きこむとは何とも大胆。
メディチ家のお抱えだったボッティチェリだから出来たこと!?(しかも手前で全身像♪)
右上にクジャクがとまっていますよね。
不死の肉とされた事から、復活するイエスを暗示するモチーフとなっています。
あっ!星はどこにあるのか・・・中央上部から降り注ぐ光が陽光ではなく、星の光なのでしょう。

ところで博士って聞くと研究者や大学の先生等が浮かびませんか!?
『東方三博士』は占星術の博士。運勢占いではなく天文学者の様な人だそうです。
(三賢者、マギ、三人の王ともいう)
三人はそれぞれ人種も年代も分けて描かれるようになり、各自の捧げ物には意味があります。
黄金=王位、乳香=祈り・神権、没薬=死(受難の象徴として没薬を持って来られるのって・・・)

作品名:マギの礼拝
製作年:1612〜1614年
サイズ:315×174.5cm
所蔵 :プラド美術館
作者 :フアン・バウティスタ・マイノ(スペイン) 1581〜1649

宗教画の人物描写は時代や画家で変わりますが、マリアの衣服は赤に青のマントがお決まりコーデ。
(赤=神の慈愛、青=天の真実)
導きの星も様々な描き方が見られますが・・・本作では星形にデザイン化!
同じテーマの星一つでも様々な美や表現を楽しめますよ〜お気に入りを見つけて下さいね♪

参考文献
「ウフィッツイ美術館」グローリア・フォッシ(監)
「もっと知りたいボッティチェッリ」京谷啓徳(著)

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